ここでは、当学会が発行している会員報「KM Report」のバックナンバーを掲載しています。
KM Report VOL.2
■CONTENTS
○ご挨拶
○第1回年次大会
○研究会レポート
○ピータードラッカーさん宅を訪問して
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| ■ご挨拶 |
日本ナレッジ・マネジメント学会 理事長 森田 松太郎
日本ナレッジ・マネジメント学会が平成10年2月に設立されてから早いもので既に半年が経過いたしました。この間、日本の政治経済は戦後初めてといえるほど不安定な状態をしめしています。政治においても、また、経済においても将来に対する明確な指針を示すことが一番重要な時期であると思います。
先進国の産業は、マニュファクチュアから知的サービスの産業へと急速にシフトしつつあります。21世紀におけるメジャーな産業は価値を創造できる知的サービス産業となるでしょう。製造業はより以上に顧客に受け入れられる、付加価値の高いものに変わっていくに違いありません。人間の持っている能力の評価が、今以上に大きくなるでしょう
これからは、ますます変化の激しい時代に入っていくに違いありません。変化の激しい時代には、その変化についていけない企業は社会から脱落していくことになります。その事は19世紀の産業で20世紀の変化についていけなかったものが社会から消えていったことによって証明されています。
一方、変化はチャンスでもあります。チャンスをうまく掴むことができれば企業は急速に成長し、業績を伸ばすことが出来ます。我々は、そのよい例をビル・ゲイツのマイクロソフトとかGEファイナンスに見ることができます。つまり、極端にいえば変化の多い時代は、チャンスが転がっていると言えます。
これからの企業経営は、この激しい変化の時代にうまく対応して行かなければなりません。企業内外におけるナレッジをうまくマネージし、かつ、シェアリングの上、企業内の人材の能力をレベル・アップしなければならないのです。つまり、ナレッジ・シェアリングの実践です。
お陰様で、当学会の加入者も次第に増加し、発会のときにご承認頂いた法人30社、個人100人を超えることが出来ました。研究会の法も、順調に推移し毎回活発な論議が行われております。これも、学会員の方々のご熱意のたまものと感謝いたします。
学会の運営についてサジェションがあれば遠慮なくお聞かせ下さい。
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| ■第一回年次大会の開催について |
大会委員長 大野 剛義
さくら総合研究所 代表取締役社長
本年2月、日本ナレッジ・マネジメント学会が設立され、日本のおけるこの分野の研究も本格化しました。研究会の活動も、内外の先進事例の研究からスタートし講師の先生方、参加者の方々の協議も盛況の中、熱心に行われています。
今般、第一回の年次大会を開催するにあたり、これらの研究・協議の成果を、広く会員の皆様とともに共有し、同時に会員の方々の種々の研究や成果を共有することを目的とし、企画しました。現在の日本の、そして世界の関心事を踏まえ「グローバル時代における知識と人材活用」の統一課題を設定しました。
会員の方々からの積極的なご応募もいただき、事務局にて慎重に選考いたしました結果、発表プログラムも下記の通り決定致しました。皆様方のご参加、活発な協議をお待ち申し上げます。
本件実施にあたり、日本ナレッジ・マネジメント学会事務局の方々の熱心なご対応に心から感謝申し上げます。
第1回年次大会(9/21)アジェンダ
10:00-10:10 開会の辞 学会会長 奈良 久彌 (三菱総合研究所)
10:10-10:20 開会宣言 大会委員長 大野
剛義 (さくら総合研究所)
10:20-12:20 第一報告者 一條 和生(一橋大学)
11:20-12:20 第二報告者 川島 文人(アーサーアンダーセン)
12:20-13:20 昼食(この間、理事の方は臨時理事会を開催します)
13:20-13:35 臨時総会開催(森田 松太郎 学会理事長より報告)
13:35-14:35 第三報告者 野村&亀津(富士ゼロックス)
14:35-14:50 休憩(15分)
14:50-15:50 加藤 重正(千葉夷隅ゴルフクラブ)
15:50-16:50 木山 晋哉(AMR Media Quest)
16:50-17:00 総 評 学会専務理事 高梨 智弘(日本総合研究所)
17:00-17:10 閉会の時 学会副会長 花村 邦昭(日本総合研究所)
17:10-18:10 懇親会
会場(さくら銀行 丸の内クラブ)
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| ■研究会リポート |
(座長:一條 和生 一橋大学助教授、当学会専務理事)
1.研究会のゴール
アウトプットは色々あると思うが、新しい「知」のマネジメント、コンセプト、アプリケーション及び実践の型を考えていきたい。多様なメンバーとそれらをどう運営していくか。
「知」を組織で共有するためのアウトプットの型「justify
true believed」つまり、最初にbelievedがあり、それはtrueであり、justifyという組織の正当性認識度となるjustification
criteriaを表現すると思います。
ゴールは、世界に向けて発信していくことです。
2.研究会のGRPI
GRPIとは
Goals(目標)
Roles(役割)
Process(プロセス:段取)
Inter person relationship(人間関係)
G:
英知を結集してKMを理論的・実践的に完成させ、日本だけでなく世界へ広げる。
グローバルな思考をもって、KMについてベスト・プラクティスを共有しながら、理論を構築し、提言を世界へ発信する。
R:
自らは単なるファシリテイター(推進役)であり、全員が研究会のアクティブなメンバーである。
全員が持つ様々な知を共有し、知を統合する場である。すなわち、この研究会の場こそがKMの実践の場なのである。
P:
研究会の開催・研究会のフォローアップ(たとえば議事録の作成)など、研究会の進め方をどうするのか?
I:
チーム活動として仲良くやる。
3.これまでの研究会活動
第1回
平成10年4月25日 13:30〜16:00
軽小坂MNビル 出席者52名
座長の一條先生から、「Knowledge Managementは流行か、本物か」とのタイトルでプレゼンテーションがあり、特に現在の米国におけるKMの実情についてお話しいただいた。質疑応答に続き、今後の本研究会における運営方針などについて話し合われた。
第2回
平成10年6月27日 13:30〜16:00
軽小坂MNビル 出席者51名
KMの事例として、研究会メンバーの以下3名からそれぞれ報告がありました。
岡 博大(慶応義塾大学)アーサーアンダーセン、エーザイ、ブースアレンの事例報告
亀津 敦(富士ゼロックス)富士ゼロックスの事例報告
川島 文人(アーサーアンダーセン)アーサーアンダーセンの事例報告
報告後、活発な質疑応答があり、本研究会の分科会に向けて検討する運びです。
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| ■ピーター・ドラッカーさん宅を訪問して |
日本ナレッジ・マネジメント学会 理事長 森田 松太郎
1998年6月29日かねてから約束のあったドラッカーさんのクレアモントの家をたずねた。クレアモントはロスアンゼルスの南約1時間半のところにある町である。静かな住宅地という雰囲気を持った町であった。約束は午前11時から3時間であった。
ドラッカーさんは既に90歳の高齢であるが、少し足と耳が不自由のようであったが大変元気で我々夫婦を温かく迎えて下さった。
お話はまず官僚制度のことから始まった。彼は官僚制度の弊害といわゆる大企業病についてしきりに述べられた。彼の官僚嫌いは有名であるが、どうも官僚制度の弊害については、強い信念を持っているようだ。組織は、管理可能なサイズにうまく分割し、それを機能的にマネージすることが大切だということだ。
我々の学会の知識ということについて聞いてみた。クレアモントの前にシカゴでアーサー・アンダーセンのナレッジ・スペースの責任者であるボブ・ヒーブラー氏と会い彼のナレッジについての見解を聞いていた。ヒーブラー氏は”Knowledge
is information that has Value”と云っていたのでそのことについて聞いてみた。
ドラッカーさんは、基本的にヒーブラー氏の意見に賛成であると云った。しかしドラッカーさんは私の意見は次のようだとの事であった。
”Information is data endorsed with meaning
and knowledge is information put to work”確かに、ヒーブラー氏とドラッカーさんは少し表現に違いはあるが基本的には同じようである。ドラッカーさんによれば働かない情報は知恵でないという事になる。両氏とも知識はビジネスに限定して使っている。ついでに知識について伺ってみた。彼の見解では知識はむしろ哲学あるいは宗教上の概念ではないか、ビジネスの世界では使いにくいのではないか、私には分からないという事であった。
現代はあらゆるシステムつまり従来型のシステムは大きく変わるだろう。例えば、銀行のシステムつまり預金を集めてそれを貸すといった様な単純な銀行業務は多分21世紀には生き残れないのではないか。しかしアメリカにおいても大多数の人はこの事に気がついていない。ごく一部のビジネスの人が気がついているだけだと云っていた。
現在、この10月にクレアモントでナレッジ・マネジメント学会のメンバーを中心にドラッカーさんを囲んでの1日セミナーを企画中である。その節、またドラッカーさんの示唆に富んだお話を聞くことが出来るのが楽しみである。
Information ドラッカーさんを囲む会の企画
年月日 平成10年10月14日出発、10月19日帰国
場所:アメリカ カリフォルニア州 オンタリオ マリオット エアポートホテル
時間:午前10時から午後4時
費用:約60万円
講師:ピーター・ドラッカー氏
備考:ドラッカー氏を囲む会はAコースとし、その後シカゴとウィリアムスバークで開かれるアメリカ生産性品質センターのナレッジ・マネジメント大会にも出席するコースはBコースとする。
なお、詳細については別途ご案内致します。
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