Knowledge Management Society of Japan

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ここでは、当学会が発行している会員報「KM Report」のバックナンバーを掲載しています。

KM Report VOL.3

■CONTENTS
○ご挨拶 副会長
○第2回 年次大会 大会委員長
○第1研究部会レポート
○第2研究部会発足のお知らせ
○ナレッジ・マネジメント・コンファレンスへの協力
○米国ナレッジ・マネジメント事情調査


●ご挨拶


日本ナレッジ・マネジメント学会副会長 花村 邦昭

 あけましておめでとうございます。
 年初来、円高・株安・長期金利上昇により、景気が再び底割れに向かうリスクが台頭しております。生産活動・個人消費・住宅着工・設備投資・輸出どれをとっても経済指標は全て低水準、または低下傾向が続いています。このままいけば三年連続のマイナス成長は避けられない見込みです。時代の展望は依然としてまったく開かれないまま、むしろ閉塞感は深まる一方といってよいでしょう。「この状態をブレークスルーするには、政にも官にも頼らずに民間企業が元気を出す以外にない」という論調が正月以来、随所で目につくようになってきました。もはや一刻の猶予も無いというのが今や産業界の本音といってよいでしょう。
 そのような中にあってこれから期待をもてる分野があるとするなら、それはコンピュータ・ネットワークが切り開いていくであろう新しい情報通信の世界、ならびにそれがもたらすであろう「知のコラボレーション」の世界です。
 民間企業は最大の経営資源である膨大な「知」を内部に埋もれさせたまま、それを充分には活用できないでいます。外部との交流はもちろん社内での相互利用も不十分です。必要性は感じていながらも、そのためのデータウェアハウスの構築もなされず、それを検索するエンジンもない。ツールがないからできない、やろうと思ってもツールがない、そのイタチごっごで動きがとれないでいるというのが実情でしょう。いまわれわれが取り組むべき喫緊の課題は、企業内外で広範かつ活発な「知のコラボレーション」が起こるようなツールを整備し、そのための「場」を設けることです・それを通して新たな事業機会を生み出すとともに、自らの企業のコーポレイト・ベンチャリング化を図ることです。
 われわれ日本総研では、このような「知のコラボレーション」がわが国の産業社会の文化的伝統になるよう、そのために何がしかお役に立ちたいということで、提言活動やコンソーシアムの組成など、さまざまな実践を行って参りました。そうする以外に日本経済再生の道はない、少なくといまの閉塞状態を打破する方途は他にはないと信じてのことです。
 日本ナレッジ・マネジメント学会に期待される役割もそこにあると思います。当学会がそのための「知の交流の場」として今後ますます発展していくことを願ってやまない次第です。


●日本ナレッジ・マネジメント学会 第二回年次大会の開催について


大会委員長 花村 邦昭
日本総合研究所 代表取締役会長 学会副会長

統一論題 「進化するナレッジ・マネジメント こころと智恵のマネジメント」

日本ナレッジ・マネジメント学会は、平成10年1月に設立されて以来、各研究会の活動も熱心に進めてまいりました。そこで今回、第二回年次大会を開催するにあたり、非会員の方々にも研究・協議の成果を共有できますよう世界一のコンサルティングファームアーサーアンダーセンのパートナーのボブ・ヒーブラー氏を迎え記念講演を行う運びとなりました。ボブ・ヒーブラー氏は、巨大ナレッジ・データ・ベース「ナレッジ・スペース」の開発者であり、ベストセラー「ベストプラクティス」の著者として世界中で活躍されております。
21世紀に向けて、ナレッジを基準として新しい価値観を創造していくヒントを得る絶好の機会と存じますので、年次大会も併せて是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。

日 時:平成11年2月15日(月) 

場 所:キャピトル東急ホテル(定員300名)

東京都千代田区永田町2丁目10番3号
地下鉄千代田線・丸ノ内線[国会議事堂前駅]、地下鉄南北線・銀座線[溜池山王駅]5番出口正面


プログラム


9:30 受付開始
10:00〜10:10 開会の辞 学会会長 奈良 久彌(三菱総合研究所 会長)
10:10〜10:20 開会宣言 第2回年次大会長 花村 邦昭(日本総合研究所 会長)
司会/コメンテーター:一條 和生(一橋大学 助教授)
午前の部
10:20〜11:10 研究報告(1)「暗黙知の経営」
田坂 広志(日本総合研究所 取締役/早稲田大学 講師)

11:10〜12:00 研究報告(2)「失敗の本質〜組織学習・自己革新の至難性〜」
杉之尾 宜生(防衛大学校 教授)

12:00〜13:10 昼  食
※ 昼食時に理事会を開催いたしますので役員の方はご参集ください。
午後の部
13:10〜13:30 年次総会
司会/コメンテーター:古山 徹(日経QUICK情報)

13:30〜14:20 研究報告(3)「経営革新とナレッジ・マネジメント」
谷口 恒明((財)社会経済生産性本部 経営革新本部長)

14:20〜15:10 研究報告(4)「個とプラクティスのコミュニティ-欧米ナレッジ・マネジメント動向-」
高梨 智弘(日本総合研究所 理事)

15:10〜15:30 休  憩
記念講演の部
15:30〜17:30 記念講演「ナレッジ・スペース」
Robert J. Hiebeler(ボブ・ヒーブラー)
(アーサーアンダーセンパートナー)

17:30〜17:40 総  評 学会専務理事 山内 悦嗣(アーサーアンダーセン 日本副代表)
17:40〜17:50 閉会の辞 学会評議員会副議長 山本 信孝(三和総合研究所 社長)
18:00〜19:00 懇 親 会  






●第一研究部会レポート
(座長:一條 和生 一橋大学助教授、学会専務理事)

第3回 平成10年9月21日 10:00〜17:00
さくら銀行丸の内クラブ 出席者110名

 第一回年次大会の午前の部を第3回研究会と合同で実施いたしました。報告書は一條 和生(一橋大学)、川島 文人(アーサーアンダーセン)

第4回 平成10年12月3日 17:00〜20:00
軽小坂MNビル 出席者67名
 米国KM視察(10月14日〜10月25日)報告、KMのための検索システムの報告など、盛り上がりを感じさせ、分科会の臭うも説明された。報告者は4名で
1.森田松太郎(学会理事長)「米国KM視察を終えて」
2.高梨 智弘(学会専務理事)「米国KM調査の概要」
3.太田 秀一(個人会員:Pen Research)「T.Davenport流KM図式における次世代情報技術」
4.分科会活動について(一條和生座長の代弁で川島文人)
次回は第二回年次大会の午前の部が合同となる予定。分科会活動はこれとは別に活動予定。

●第2研究部会(ケーススタディ研究部会)発足のお知らせ
 すでに第一研究部会は一條先生の座長のもとで、既に4回開催し多大の成果を挙げています。この度、企業の現場において実践されているナレッジ・マネジメントについて企業の現場において、現場の人たちと意見を交換し、生々しいナレッジ・シェアリングの研究をする部会を発足させることを検討しています。第一研究部会の成果とシェアリングしながら、ナレッジ・マネジメントの研究を深化させて行くことを目指します。
 年に3回位の、研究会を開催したいと考えています。詳細については、部会発足時に部会員の意見によって決定する段取りを考えています。
 会員の中で、参加希望の方は事務局までお申し込み下さい。

 座長予定 高梨 智弘 日本総合研究所 理事 学会専務理事
 キーワード
 ナレッジの共有、データ、情報、知識、知恵、暗黙知、形式知、
 ナレッジ・ワーカー、バリュー、ナレッジ・マッピング、ベストプラクティス、ベンチマーキング、経営品質、ナレッジ・マネジメント、知識データベース、コミュニケーション、ネットワーク、協同、知識エンジニアリング、個の創発、自己組織化、イネーブラー、
学習、価値創造

●日本経済新聞社主催「ナレッジ・マネジメント・コンファレンス」への協力
日時 平成11年3月23日(火)9:00AM〜12:30PM
会場 東京国際フォーラム(有楽町)レセプションホール
コラボレーション&ナレッジ・マネジメントと称する4構成(主催者セミナー・出展者セミナーショーケース等)のひとつの日本経済社主催「ナレッジ・マネジメント・コンファレンス」−ネクスト・ミレニウムに生き残る企業創造へ向けて−に協力することになった。
 当学会から、
(1)オープニングアドレス「ナレッジ・マネジメントをどう考えるか」に高梨 智弘 学会専務理事
(2)基調講演「ナレッジの本質は何か」に一條 和生 学会専務理事が講演者として参加します。
なお、ショーケース&コンサルティングコーナーでは、学会の展示コーナーを設けますので会員諸氏の参加を期待します。


●米国ナレッジ・マネジメント事情調査


日本ナレッジ・マネジメント学会理事長 森田 松太郎

 平成10年10月14日〜15日までの12日間にわたり当学会の会員を中心にアメリカにおけるナレッジ・マネジメントの実態調査ツアーを行いました。
 ツアーの出だしは、カリフォルニア州のオンタリオにあるヒルトンホテルに著名なピーター・ドラッカー氏をお招きして、同氏の最近の研究について約6時間にわたりお話を聞くことができました。同氏は既に90歳に近い年齢にもかかわらず長時間にわたり熱心に話をし、かつ質疑にも丁寧に答えて頂きました。その真摯な態度には、一同強烈な印象を受けました。
 特に、21世紀における日本の人口構成の変化が社会に与えるインパクトの大きさ、また、そのインパクトが色々な面で、産業の構造や企業経営に影響を与えるであろう事が、改めて認識できました。
 ついで、ロサンゼルス郊外のラグナビーチで、もと毎日新聞の外信部長であった大森 実さんから、米国の政治や経済の実情についての的確な話を聞くことができました。帰国後大森さんの指摘が実に的確であったことが確認され、今更ながら、事実の把握の重要性と分析の精度について認識を新たにしました。
 10月19日にシカゴの郊外セントチャールズにあるアーサー・アンダーセン教育センターを訪問、施設を視察した後、ボブ・ヒーブラー氏からアーサー・アンダーセンの行っているナレッジ・スペースについてプレゼンテーションを受け、アメリカにおけるナレッジ・マネジメント実践における最新の事情について勉強し強い印象を受けました。
 なお、同氏はアメリカン プロダクティビティ アンド クォリティ センター(APQC)主催のシンポジウムにおいてもナレッジ・スペースについて基調講演を行いました。
 10月22日と23日はウィリアムズパークで開催されたAPQCのナレッジ・マネジメントシンポジウムに出席いたしました。
 約450名の出席があり、アメリカにおいてはナレッジ・マネジメントは既存の事実として定着しているという印象を受けました。シンポジウムは、センターの社長のカーラ・オデールさんのイントロダクションで始まり、ついでバックマンさんの基調講演が行われました。
 その後、28に及ぶ基調講演と分科会が開かれ、それぞれにツアーのメンバーが分かれて参加し、アメリカの現状について勉強しました。シンポジウム全体の内容については、米国ナレッジ・マネジメント調査報告書の中で詳細に報告されています。学会の皆さんにおおいに参考になると思います。

●研究奨励賞の選定について


第一回研究奨励賞は次の選考委員によって行われた。

委員長 亀井 正夫
委員  森田 松太郎
    嶋口 充輝
    野中 郁次郎
    加護野 忠男
    境 健一郎

選考会は2度実施された。候補作として推薦されたのは次の6著作である。
1.バリュー経営 一條 和生
2.富士通のナレッジ・マネジメント 黒瀬 邦夫
3.知識資産の経営 紺野 登
4.経営品質の真実 高梨 智弘
5.大きくしないで強い会社を作る 西浦 道明
6.経営の質を高める8つの基準 大久保 寛司

以上の6著作について慎重に選考の結果、全員が一條 和生氏のバリュー経営を当年度の研究奨励賞として推薦することになった。バリュー経営は平成11年1月20日に開催された評議員会で正式に研究奨励賞作品として決議された。