No.41 2011年1月20日発行 | 日本ナレッジ・マネジメント学会

メールマガジン

No.41 2011年1月20日発行

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   日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン 
   第41号  2011/1/20
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 編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局

□ 目 次
◆平成23年 年頭のご挨拶
◆第14回年次大会の開催について
◆知的資産経営国際ワークショップ・レポート
◆知の創造研究部会(第13回研究会)発表概要の紹介

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◆平成23年 年頭のご挨拶
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事長 森田 松太郎)

 学会の皆様平成23年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。
早いもので当学会が平成10年にスタート以来13年を経過致しました。
 最近は各方面で知識とか知恵の問題が取り上げられ、また
Intellectual Capital として人の持つ力そのた組織としての力が
広く認知される様になりました。混迷の世界を一新するには人類の
蓄積してきた知識の活用が必要です。
当学会は本年上海においてTKF上海を実施するべく企画中です。
中国経済の発展は目を見張る物がありますが、企業のマネジメントの
面で不十分な点があると言われています。今回のTKFが
その助けに成り日中友好の一助になれば幸いと思います。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。

            

◆第14回年次大会の開催について
(日本ナレッジ・マネジメント学会事務局)

2011年の年次大会は2011年3月5日(土)に、法政大学市谷キャンパス
58号館867号室で開催する予定です。
テーマは『イノベーションを引き起こすリーダーシップ』です。
特別講演は神戸大学の加護野忠雄教授をお招きし、他にも講演者を
目下調整中です。ご期待下さい。
会員の皆様にはぜひご参加いただきたく、お願い申し上げます。

なお、会員の皆様には近日中に年次大会申込用紙の発送をいたします。
住所を移された会員の方は、お早めに学会事務局までご連絡下さい

◆知的資産経営国際ワークショップ・レポート
(日本ナレッジ・マネジメント学会副理事長 高梨智弘)

日時:2010年12月1日(水)13:00?17:30
場所:早稲田大学小野記念講堂
統一テーマ:知的資産経営国際ワークショップ:『知を活かすー
創造とイノベーションのための場と組織』
主催:日本ナレッジ・マネジメント学会、New Club of Paris,
早稲田大学知的資本研究会

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当日は、知的資産経営関連の専門家を中心に世界から約53名が参加
した。約半数が、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、中国、
台湾、ブラジルなどからの参加であった。

13:00? 主催者側代表として、森田松太郎日本ナレッジ・マネジ
メント学会理事長が開会宣言を行った。

13:05? 荻原直紀富士ゼロックス・シニア・コンサルタントの司会
進行でスタート。

◇講演の内容:(使用言語英語)

内外の7つの事例紹介と特別講演の要旨は次の通りであった。

○ケース1:「Future Centerにみるイノベーションの現場」
オランダのMr. Hank Kune氏と富士ゼロックスの荻原直紀氏によって、
「欧州にはすでに30カ所にFuture Centerがあり、EUの支援も得て
活動中である」旨発表があった。Facilitationを重視し、自由な雰
囲気での活動は、その場所のデザインを含め、特に、英語のPlaceよ
り広義で・多義的なナレッジマネジメントの「場」の概念が採用さ
れており、実際に、税務署や税関などの公共の場のデザインにも応
用している事例の紹介があった。富士ゼロックスKDI (Knowledge
Dynamics Initiative)による知識創造による企業活性化、ワークス
ペース設計等の活動支援についても紹介があった。

○ケース2:「BMWにおける知的資産経営の試み」
ドイツのInge Wolf、Clausthal大学教授による3 dimensions(Quality,
 Quantityand Systematic)の成功要因について解説があった。

○ケース3?:「イノベーションのための支援活動」
ブラジルのBrazil National Development BankによるJoao Paulo
Carneiro H. Braga氏から、財務の健全性について、Competencesと
無形資産(「見えないBS」=Knowledge Balance Sheetの考えを含む)
の解説があり、Strategy, ExternalRelation, Governance, Product
 Innovation, Human Resource, Final Policyの六角形の方法論が紹
介された。

○ケース3?:
日本のITCA小林寛三氏から、METI推薦資格として成立したIT Coordinator 
(ITC)制度が紹介された。設立から10年経過し、全国9,500名の資
格者を輩出し、全国約200のITCによる自主組織がある。420万社の日
本の中小企業をサポートする制度である。本年の6月1日に、知識体系
から実践力体系に方法論を拡充し、気づきの経営や経営改善・改革に
結びつけるIT経営の概念(知識・知恵・知心の総合概念を取り込んだ
知の経営をベースとしている)の普及・支援活動を経済産業省の支援
を受けて日本中で展開されていることが強調された。

○ケース4:「老舗企業のイノベーション」
日本の鍋屋バイテック会社(NBK)丹羽哲也匠部次長より、1560年創業
の鋳物から発展した半導体、医療などハイテク分野の部品メーカー
(岐阜県、社員400名)の事例が紹介された。

○ケース5:「地域における知的資本報告書の取り組み」
2006に設立されたThe New Club of Parisの概要について、創設メン
バーに一人であるドイツのGunther-M. Szogs氏によるスピーチ。
EU域内の創造性ある起業家を育成支援 (Intellectual Entrepreneurs)
し、各国で創造力開発のための講演・出版・ワークショップを開催
している。日本からの日本機械輸出組合Brussels住田孝之所長もそ
の支援メンバーで、この日も一時帰国しての参加。JEITA欧州も関与
しているとのこと。

○特別講演:「The New Club of Paris の試みと成果」ビデオレタ
ー出演のスウェーデンのLeif Edvinsson Lund大学教授、フランス
のArmed Bounfour Paris-Sud大学教授と元METI知財室長だった住田
孝之日本機械輸出組合Brussels所長によるパネル形式でのThe New
 Club of Parisの活動紹介。住田氏のほか花堂靖仁早稲田大学教授
も設立メンバー46人の内の2人の日本人。

○ケース6:「NPO組織における知的資産の活用」
フランスのArmed Bounfour Paris-Sud大学教授による2025年に創造
性を重視した画期的なParis-Saclay新キャンパス構築構想を含めた
講演。

○ケース7:
船橋仁アクセル社(知的資本経営のコンサルタント会社、社員40名)
社長より、日中における知的資産管理士の取り組みについての説明
があった。、変革の時代には特に、知的財産、ノウハウ、業務プロ
セスなど組織資本と、知的資本である顧客、パートナーとの関係・
ブランド力など外部との関係が最重要の競争力となるとスピーチ。

◇総括挨拶:

高梨智弘日本ナレッジ・マネジメント学会副理事長から、全体のケ
ース、講演の講評が行われた。日本での全国的展開であるITC制度
の役割についても、東洋的な発想である実践知、意識知が、実は、
欧州でも業務プロセスの可視化と並んで、重視されているMindset
と共通する考えであることや、日本の「場」や「知」の概念も、
多様性・成熟度に合わせて考察されるべきこと、特に、気づき
(Awareness)・注視(Attention)・実行(Action)の3Aのステッ
プが重要であることが強調された。

17:10?主催者の花堂靖仁早稲田大学教授から、閉会の挨拶があった。

以下のリンク先に当日の写真を掲載したバージョンをアップしています。
http://www.kmsj.org/archive/20101201report.pdf

◆知の創造研究部会(第13回研究会)発表概要の紹介
(知の創造研究部会長 植木 英雄)
(知の創造研究部会会員 八代 英美)

★研究会の概要
12月17日の第13回研究会では、八代さんの研究発表「環境産業における
知の創造―日本リファインの事例―」と事例対象企業の日本リファイン
社長川瀬泰人氏による詳細な同社の事業概要の説明があり、環境資源リ
サイクルの重要性について認識を深める事が出来ました。

また、八代さんのインタビュー調査報告に基づく課題提起に対して川瀬
社長、堀人事部長のコメントを交えて、参加者の皆さんからも活発な質
疑・応答が展開され18名の参加を得て、大変有意義な研究会となりまし
た。

今回は、事例研究の発表者に加えて対象企業の社長による事業説明など
も交えて、参加者との間で質疑・討論を行なうという新しい試みを実現
する事ができ議論が盛り上がり、もっと延長したいところでしたが、
引き続き懇親・忘年会を素材屋大手町店で行ない発表者の八代さん、
日本リファインの川瀬社長、堀人事部長を囲み、参加者13名で今後の
抱負などを語り合うことができました。

日本リファイン社の環境資源リサイクルのビジネスモデルは今後グロ-
バルに発展していくことが見込まれており、マネジメント人材育成や知
の創造を促す異分野交流の面で本学会(研究部会)が協働出来る面も期
待できるため、会員案内を差し上げて検討して頂くことにしました。

八代さんは、3月5日開催の学会年次大会で本調査結果を発表される予定
と伺っております。今回欠席された方もぜひ研究発表の質疑・コメント
にご参加ください。

以下、この研究会の発表者である八代 英美さんにお願いしました。

以下のURLでご覧下さい。写真やスライドデータ付です。
http://www.kmsj.org/archive/20101217.pdf

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今回は、発信が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
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編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局(森田隆夫)
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